Go プロジェクトへの貢献
Go プロジェクトへの貢献方法について説明します。
基本ガイドライン
貢献の開始
Go 貢献ガイドライン を読むことから始めてください。
Go 変更提案プロセス
Go プロジェクトに変更を提案したい場合は、Go 変更提案プロセス を読んでから始めてください。
- 大きな変更には提案プロセスが必要
- 設計文書のアーカイブも利用可能
- 提案は慎重に検討されてから実装される
リリースサイクル
リリース頻度
Go のリリースは約6ヶ月間隔で行われます。リリース情報 で詳細を確認してください。
リリースノート
新しいバージョンでの変更点については、各バージョンのリリースノートを参照してください。
ソースコード構造
Go ソース X-リポジトリ
Go ソース X-リポジトリの構造 について知りたい場合は、こちらを参照してください。
主要なリポジトリ:
- golang/go - Go 言語のメインリポジトリ
- golang/tools - Go ツール(godoc、goimports など)
- golang/crypto - 暗号化ライブラリ
- golang/net - ネットワークライブラリ
- golang/sys - システムコール
コードレビュー
レビュープロセス
Go プロジェクトでは、すべてのコードが提出前にレビューされることが要求されています。
コードレビューの実践 について詳しく読んでください。
レビューガイドライン
コードレビュー中にコメントする場合は、ガイドライン を読んでください。
レビューコメントのベストプラクティス
- 建設的であること: 問題点を指摘するだけでなく、改善案も提示
- 明確であること: 曖昧な表現を避け、具体的な改善点を指摘
- 敬意を示すこと: 他の開発者の努力を尊重
- 学習機会として活用: 新しい開発者を支援
イシュー管理
バグ報告と機能リクエスト
GitHub イシュートラッカー を使用してバグ報告と機能リクエストを提出してください。
良いバグ報告の要素
タイトル: 簡潔で具体的な問題の説明
**環境情報:**
- Go バージョン: go version go1.21.0 linux/amd64
- OS: Ubuntu 22.04
- アーキテクチャ: amd64
**再現手順:**
1. サンプルコードを作成
2. go run example.go を実行
3. 期待される結果と実際の結果を記述
**最小限の再現例:**
```go
package main
import "fmt"
func main() {
// 問題を再現する最小限のコード
}
期待される動作: 期待される結果の説明
実際の動作: 実際に起こる結果の説明
### イシュー処理プロセス
**[報告されたイシューをどのように処理するか](https://go.dev/wiki/HandlingIssues)** について知りたい場合は、こちらを参照してください。
## 開発環境のセットアップ
### ソースからのビルド
```bash
# Go ソースコードをクローン
git clone https://go.googlesource.com/go
cd go
git checkout master
# Go をビルド
cd src
./all.bash # Linux/macOS
all.bat # Windows
開発ブランチでの作業
# 新しいブランチを作成
git checkout -b my-feature
# 変更を加える
# ... コードを編集 ...
# テストを実行
./all.bash
# 変更をコミット
git add .
git commit -m "mypackage: improve performance of SomeFunction
Optimized the algorithm by using a more efficient data structure.
Fixes #12345"
貢献の種類
コード貢献
- バグ修正: 既存のバグを修正
- 機能追加: 新しい機能の実装
- パフォーマンス改善: 既存機能の最適化
- ドキュメント改善: ドキュメントの更新・改善
非コード貢献
- バグ報告: 詳細で再現可能なバグ報告
- 機能提案: よく考えられた機能提案
- ドキュメント作成: チュートリアル、ガイドの作成
- コミュニティサポート: フォーラムでの質問回答
プロジェクトダッシュボード
ビルドダッシュボード
Go ビルドダッシュボード情報 - 継続的インテグレーションの状況を確認。
パフォーマンスモニタリング
パフォーマンスモニタリング情報 - Go のパフォーマンストレンドを監視。
デバッグとログ
失敗したログのダウンロードとデバッグ - ビルド失敗の調査方法。
貢献者向けリソース
Git ワークフロー
# Go プロジェクトの一般的なワークフロー
# 1. 最新のmasterを取得
git checkout master
git pull origin master
# 2. 新しいブランチを作成
git checkout -b fix-issue-12345
# 3. 変更を実装
# ... コードを編集 ...
# 4. テストを実行
go test ./...
./all.bash # 完全なテストスイート
# 5. 変更をコミット
git add .
git commit -m "net/http: fix race condition in server shutdown
The previous implementation had a race condition when shutting down
the server while handling requests.
Fixes #12345"
# 6. コードレビューのために送信
git push origin fix-issue-12345
# その後、Gerrit でコードレビューを作成
コミットメッセージのガイドライン
package: short description of change
Longer description explaining the motivation and context.
Can span multiple lines if necessary.
Fixes #issue-number
- 1行目: パッケージ名 + 短い説明(50文字以内)
- 空行を挟む
- 詳細な説明(必要に応じて)
- 関連するイシュー番号
テストの実行
# 特定のパッケージをテスト
go test net/http
# 全パッケージをテスト
go test std
# レース検出器付きテスト
go test -race ./...
# ベンチマークテスト
go test -bench=. ./...
コミュニティとの関わり
メンター制度
新しい貢献者には、経験豊富なメンバーがサポートを提供します。
定期的なイベント
- Go コントリビューターサミット: 年次のコントリビューター会議
- コミュニティミートアップ: 地域ごとの開発者交流
- オンラインイベント: リモートでの技術討論
よくある質問
Q: どのくらいの経験が必要ですか?
A: Go を少し書いたことがあれば十分です。小さなバグ修正やドキュメント改善から始めることができます。
Q: どのようなイシューから始めるべきですか?
A: good first issue
ラベルが付いたイシューから始めることをお勧めします。
Q: 提案が却下されたらどうすればよいですか?
A: フィードバックを読み、理由を理解し、別のアプローチを検討してください。すべての提案が受け入れられるわけではありませんが、学習の機会として捉えてください。
Go プロジェクトへの貢献は、技術的なスキルを向上させ、世界中の開発者と協力する素晴らしい機会です。小さな貢献から始めて、徐々に大きな貢献につなげていきましょう。